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Secret 16



「終りましたね。これでやっと1ヶ月ぶりに道明寺さんに会えますね、先輩!」

「ちょっと、何よ。そのやらしい笑顔は!」

「失礼な。この完璧な笑顔に対してやらしいだなんて。先輩の方こそ、今夜はやらしい顔させられるんじゃありません? 愛しの旦那様に!」

「な、何バカなこと言ってんのよ!」

「照れることないですって。久しぶりに会えるんですから、甘えられる時にちゃんと甘えた方が良いんです。離れてる間、先輩も辛いのによく頑張ったんですから。言葉に出来ないのなら、態度で示すことも大事でしょ?」

「桜子……」

先輩は、困ったように微笑した。

あの家族ぐるみでの写真が世間を賑わせて以来、マスコミは一気に過熱し、毎日毎日繰り返される道明寺さんと滋さんの熱愛報道は、異常とも言えた。
そんな状況でも大きな声で笑い、何事もなかったよう振舞う先輩の姿は、逆に痛々しく私には感じられた。

言葉にするのが不器用で、自分の胸の内に溜め込んでしまうのは、この人の優しさかもしれない。でもそれ故に、自らをも追い詰め、苦しんでしまうことを私は知っている。

そうやって藻掻き苦しんで、結果爆発したのが道明寺さんからのプロポーズを受けた時だ。先輩は、私ですら想像しなかったまでに自分の感情を露わにした。
真っ直ぐだけど意地っ張りだった少女が、大人へと向かう時の過程を経て得た、女としての想いと、その発露。
意地や強がりで隠しきれなくなった、強い想いの表れだった。
逆に言えば、道明寺さんに対する想いすら、こうして限界を迎えるまで、ひたすら内に隠してしまうのだ。

今は、その笑顔の下にどれだけのものを隠しているのか。
見たくもない情報に溢れかえった日々に、疲弊しないはずがない。精神がすり減って当然だ。
笑顔の下に忍ばせた胸中は、どれだけ苦しく切なく、心に重いか。
それをどうにか出来るのは、ただ一人。
今は、一刻も早く道明寺さんに会わせてあげたかった。

「あと数時間したら逢えますからね、さぁ、ちゃっちゃっと帰り支度しますよ?」
「はーい!」

にっこり笑えば、先輩も同じものを返してくる。
帰り支度を早めたところで、搭乗時間は変わらないのだから時間の短縮には繋がらないけれど、珍しく今日の私は気ばかりが急いた。
そんな私をまるで嗜めるように電話が鳴る。作業を中断して画面に表示された名を確認した私は、先輩に断りを入れて廊下へと出た。







「滋、午後からの仕事全てキャンセルして明日以降に振り分けてくれ」

「えーっ? またいきなりそんな無茶言って! 司、そんな我儘通るとでも思ってんの?」

「通るも何も通らすんだ。いいから早くやれ」

いきなり何を思い立ったのか、突然のように命令する司。

これじゃ、西田さんも苦労が耐えなかったはずだわ。……でも、私は違う。
司に指示され動くことは、私にとって苦痛であるはずがなかった。
司の為だけに動けるのだとしたら、私にとってそれは喜びを覚えるものでしかない。

────例え、どんな理由であれ。

「司、キャンセルしてどうする気?」

「今日はつくしが帰ってくる日だ。早く帰って傍にいてやりてぇ」

思った通りだ。

全てはつくしのため。そう思う司の気持ちは私にだって分かる。
私達のことを報道されて、それをつくしがどんな思いで見ているか。そんなつくしを思って司がどれだけ心配していたか。
きっとつくしの事だから、周りには平気を装って強がって見せてるだろうけど、私にはその気持ちも手にとるように分かる。それがどんなに辛いことなのか。私だから痛いほどつくしの気持ちが分かってしまう。
好きな人が自分以外の人と一緒にいる姿は、見ているだけで胸が切り刻まれるほど痛みが伴うってことを。

「司、明日以降は忙しくなるの覚悟の上よね?」
「あ? 分かってる」

今、目の前にいるこの人を忘れる事が出来たら、私はどれだけ楽になれるだろう。
自分に振り向いて貰うより、司への愛を消してしまえたら、私だって救われる。
そうすれば、親友との関係も上手くいく。
司を想う度につくしの存在も感じるというのに、それさえも無視して自分の想いを何度も司にぶつけてきた。
その度に、私が受け入れられない現実に打ちのめされ、この想いが親友を裏切っているという罪悪感に、何度苦しめられてきただろう。

そして、そんなことをしておきながら、私はまたつくしを『親友』と呼ぶんだ。

「しょうがない、親友のつくしと副社長の為だもんね。何とかしなくちゃね」

「悪りぃな」

司が嬉しそうに笑う。
例え、大河原の力を利用して私が二人の間に割って入ったとしても、きっとこんな笑顔は見せてはくれないはず。

だから言う。
親友のポジションに身を置き、それらしい科白を。

「司、何も心配要らないからって、大丈夫だからねって、そうつくしに伝えてね!」

「おう」

────ほら、こうすればまた、私に笑いかけてくれるから。







「先輩早くして下さいよ」

「ちょっと待ってー! あれ、搭乗手続きは?」

「いいんです。さっさとしないと怒られるのは私なんですから」

桜子に引き摺られるように向かった先は、待機していたプライベートジェットの前。
まさかっ!

「え? もしかして司?」

「全く思い立ったら即行動なんですから。思考と行動にタイムラグがないなんて、道明寺さんくらいですよ。せめて前日までに連絡くれればいいのに、帰り支度してる時にかかって来たあの電話でですよ? 行くから頼んだぞ、って。とにかく、とっとと乗り込んで下さい!」

言われるがままに機内に足を踏み入れれば、そこにはずっと会いたくて堪らなかった司の姿があった。

「つくし、お疲れ。元気にしてたか?」

「なんで?」

「早くお前の顔見たかったから、迎えに来た」

優しく微笑む司の顔を見ても、すぐに頭が働かない。
なのに、指令は出さずとも足は勝手に駆け出して、司の胸へと飛び込んだ。

大きな背中へ腕を回す。指先まで力を入れて司の上着をギュッと握り締め、離れてしまわぬようにしがみ付いた。

そんな私を広い胸で受け止め、何も言わずに抱き締めて返してくれる司。

離れて過ごした不安を全て拭いたい。
触れ合うことで何もかもを浄化させたくて、このまま何時までもこの腕の中に閉じ込められていたかった。





「もしもーし」

うるせぇ。

「ちょっと、もうその辺で我慢して貰えません?」
「邪魔すんな」

俺と桜子の言葉でやっと我に返ったのか、つくしは力を緩め俺から慌てて身体を離した。

「気持ちは分かりますけど、私がいるのを忘れないで下さいね」

「三条、なんならお前は民間機で帰るか?」

「酷ーい! もうチケットはキャンセルしちゃいましたよ!」

「そうか。だったら、後ろの席で目隠しでもしとけよ。目の毒だろ」

「はいはい、分かりましたよ。邪魔はしませんから」

そう言いながら俺たちの横を通り過ぎた三条は、言われた通り少し離れた後ろの席に座る。

珍しく大人しく引き下がった三条に、俺とつくしは目を合わせた。

「やけに今日は素直だな」

つくしに言ったつもりが奴にも聞こえたのか。後ろの席から、すぐさま三条の大きな声が返ってきた。

「道明寺さん、目隠しだけで大丈夫です?」

「は?」

何を言ってるのか意味不明だ。

「何がだよ」

「目を隠しただけじゃ耳は聞こえちゃうでしょ? それとも、声を出させないようにしてもらえます?」

「な、な、何んの話を……」

「いやだ、道明寺さんたら。今、道明寺さんが頭に思い浮かべた事に決まってるじゃないですか。ここで始められるんじゃないかと思って、念の為の確認です」

「するかーーっ!」

まったくこの女は、恥ずかしげもなくしゃあしゃあと。
固まったまま突っ立っていると、つくしが俺の袖を引っ張ったた。

「やっぱり今日も桜子には勝てないね?」

そう言ってクスクスと楽しそうに笑いながら席に着いたつくし。

やっと笑ったな。

その様子に少しだけ安堵してると、背後から視線を感じ振り返る。

見れば、三条が穏やかに笑いながらウィンクをし、更には本当にアイマスクを目に宛がえた。
あいつもつくしが心配で、わざと冷やかし場を和ませようとしたんだろう。
あいつの配慮には感謝するが、内容が女の発想じゃねぇ。もう少しまともな対応なら文句もねぇのに。
そんな俺を不思議そうに見ていたつくしに気付き、俺もその隣にやっと腰を落ち着かせた。


席に着きつくしの手を握り締め、その顔を見つめれば、つくしはいきなり捲し立てた。会えなかった1ヶ月の出来事を、機関銃のような勢いでトップスピードに乗せて語ってく。

俺に喋らせねぇつもりか?

つくしの話を聞いてるだけで、それはそれで楽しいが、あまりにもこれは不自然だ。
気持ちを誤魔化すために喋り続けてるのか、まだ止まりそうにないつくしの言葉を遮った。

「つくし、ちょっと待て。そんなに慌てて喋んなくてもいいだろ。俺にも少し話させろ」

「いいの。今は何も聞きたくない。こうしているだけでいい」

その物言いは、俺が何か言うのを恐れているように見えた。
繋がりあう手にギュと力を込めたつくしは、だから、あんなに喋りまくっていたのか。

やっぱり色んなことを、ぐるぐると考えちまってるに違いねぇ。あんな写真見れば、不安になるなと言う方が無理な話だ。

「こうしてるだけで本当にいいのか?」

抱きしめてキスに持ち込もうと、つくしの頬に手を当て意地悪く言ってはみたものの、俺を見上げて微笑むその顔に、俺の方がドキッとされられた。

……こんな風に笑う女だったか?

薄付きのリップが乗る唇の両端を上げ、あでやか微笑む顔は凄ぇ綺麗で、でもどこか憂いを帯びたその表情は弱々しくも見えた。

何年も見てきたはずの女の知らない顔。
初めて見るその表情に戸惑いを覚え、強く抱きしめたいのにそうすれば壊れてしまいそうな儚さ。
結局俺は強く抱きしめられず、柔らかく包み込むに留めて、触れるだけの優しいキスをした。





漸く辿り着き、マンションのベルを鳴らす。

あれから俺たちは滋との件には触れず、他愛ない会話を重ねてる内に、ジェットは無事に空港に着陸した。
だが、そこからつくしと一緒に帰るわけにはいかなかった。
何処でマスコミが張っているか分からない今、警戒を怠るわけにはいかねぇ。
つくしを先に出発させ、別々の車でマンションに向かうしかなく、俺はマスコミの車を撒いてからこうして帰り着いたわけだが────。

「何で、お前がここにいる?」

ドアが開き相手の顔を見るなり低い声が口を衝いて出た。
俺を出迎えたのは、愛しの妻とは似ても似つかぬ総二郎だ。

「そんなおっかねー顔すんなって。俺たちも牧野が心配で様子見に来たんだからよ」

「今、俺『たち』と、言ったか?」

「まあな。皆で顔でも見に行くかって事になってよ。ほら、そんなとこに突っ立ってねぇでとりあえず上がれよ!」

「うっせー、ここは俺んちだー! てめぇの指図はいらねぇんだよっ!」

くそっ、久々の二人の時間を邪魔しやがって、何が悔しくて俺たちの愛の巣で総二郎の顔を真っ先に拝まなきゃなんねぇーんだよ!

中に入ると、「お疲れ~」だの「お帰り」だの、主より先に寛いでいる、会いたくもねぇメンツが顔を揃えていた。

「三条、お前もか」

「だって、皆さんも来るって言うし、お料理も用意してきたって誘われたんで、ご馳走になろうかと思って」

「おまえらっ! 少しは気を使うとか、遠慮するって気にはなんねぇのか!」

「気遣いも遠慮も知らねぇ司にそんなこと言われてもなぁー」

「総二郎、てめっ!」

俺が怒鳴ってもどこ吹く風の男共。全く気にしちゃいねぇ。
俺が一人苛立ちを募らせる中、着替えたつくしがリビングへと入って来た。 

「ごめんね、司。着替えてたからお迎えに出られなくて」

その顔を見た途端、怒りは静かに落ち着きをみせんだから、俺も単純なもんだ。

俺の怒りになど気付かなかったつくしは、俺のジャケットに手を伸ばし脱がせると、いつものようにハンガーへと掛け、あいつらにお酒の用意をするからと、キッチンへと行ってしまった。

「何か、新妻って感じだな」
「健気だねぇ」

ソファーに並んで座るあきらと総二郎が、つくしの姿を見て呟く。 
そんな二人とは別視線で、一人がけの椅子を陣取っている男が訊いてくる。

「牧野、変わりない?」

真っ先につくしを気にする辺りが気に入らねぇ。……おまえは寝てろ。

「変わんねぇよ」

不貞腐れ気味に言いながら頭に浮かぶのは、ジェットの中で初めて見た、あいつの儚げな微笑だった。

「どうしたの? 何かあった?」

類の切り返しが早ぇ。つくしが絡むとなると目敏く人を観察しやがって。

「何だよ、司。牧野どうしたんだよ」

すぐに返事をしない俺を見て、あきらまで声に心配が滲む。

「いや、別に何がって訳じゃねぇよ。ただ、何となく雰囲気が違うっつうか、あんなに女っぽかったかと思ってよ」

「なんだよ、ノロケかよ!」
「そんなんじゃねぇ」

あきらもからかったものの、俺の顔を見て直ぐに惚気じゃないと分かったんだろう。真面目な顔つきになる。
そんな中、割り入ってきたのは三条だった。

「先輩だって、いつまでも女子高生じゃないんですよ? あの頃は家庭の事情とかもあって自分を後回しで恋愛に疎かった先輩も、今は愛する人と結ばれて女の幸せを知ったんです。それに仕事柄、本人も知らぬ間に女性として洗練されましたしね。
つまり、あんな鈍感で天然な先輩でも、道明寺さんの前ではただの女なんです。もう少女じゃないんです」

人の女を鈍感だの天然だの、言いたい放題だが、でもただの女ってなんだ?

「なるほどね」

分かったように頷くあきら。一人で納得してないでさっさと教えろ、と睨みを入れるが、

「つまりだ」

身を乗り出してきたのは総二郎だった。

「牧野も本当の意味で女になったってことじゃねーの?」

本当の女?
暫し頭を悩ませてから総二郎にキッパリ言ってやる。

「つくしが男だったことはねぇ」

「当たりめーだっ! 脱力しそうなこと言うんじゃねーよ! そうじゃなくてよ、お前達の付き合いってガキっぽかったからな。一線越えたって、長い遠恋だったわけだし、お前が帰国して初めて恋人らしい関係になれるかと思っても、今度はマスコミだの仕事だのって、会う時間もままならなかったろ。結婚した今、やっと恋人らしい関係になったんじゃね?」

「……」

「司、女は身も心も愛する男のものになれば、変わるっつうこと。牧野、女らしくなったんだろ? そうやって変えたのは、司なんじゃねえの?」

総二郎の奴、最後はニタニタ笑いやがって。

確かにつくしは変わったと思う。
昔じゃ考えられないほど素直になった面もあるし、意地を張ることはあっても、それさえも可愛いと思える程度ものだ。

しかし、今回みたいに、弱々しい中にあんな艶っぽく女を感じたのは初めてだった。

「道明寺さん、普段は可愛い先輩だけど、今回のような大きな不安を抱えたのって結婚してから初めてでしょ? 相手は滋さんですしね。そんな時だからこそ、先輩の違う一面が出ちゃったりするんじゃないですか? 憂いを帯びた姿って、男でも女でも色気が漂うもんですから。
裏を返せば、それだけ普通じゃないってことです。
道明寺さん、先輩のことお願いしますね。あの人が傷つかないように」

「分かってる」

『それだけ普通じゃない』三条が言った言葉が、いつまでも耳から離れなかった。




その日は、流石のあいつらも長居はせず、飯を食い終わると早めに切り上げて行った。
やっと二人きりになった俺たちは、ワインを飲みながら静かな時間を過ごしていた。

しかし、いつまでもそうしてる訳にもいかねぇ。
滋のことを話しておきたかった。と言っても、全て話せねぇのがもどかしいが。

「つくし。滋とのことは何も心配要らねぇからな? 滋も心配すんなって伝えてくれって。いつものように面白おかしく騒ぎ立ててるだけだ。お前が悩む必要なんて何一つねぇんだからよ」

「分かってる。司がそう言うだろうことも分かってた。でも、本当に何もない? 別に司を疑ってるとかじゃなくて、ただ何かあるのかなって、漠然とそう思ったから」

「あるはずないだろ」

俺を真っ直ぐな目で見ながら俺の言葉を聞いていたつくし。今、その視線から目を逸らすわけにはいかない。
つくしに秘密を持つのは、本当なら俺だってしたくねぇ。でもそうまでしても、つくしを失うリスクを避けたかった。

「そっか、分かった。私の考えすぎだったね」

そう言って微笑んで見せたのは、さっきまでいた奴等の前では決して見せなかった、あの憂いを帯びた笑み。
そんな笑みを俺が覚えさせちまったのか? 

「つくし。お前俺と結婚して幸せか?」

俺の言葉に驚いた顔をしたつくしは、次には笑みの質が変わりクスクスと笑いだす。

「俺様っぽくなーい」
「…………だな」

ふざけ口調で言うつくしに、素直に認める俺。

だが、聞かずにはいられなかった。
俺の本意ではないにせよ、こうして不安にさせちまうことに、いつかつくしが消えちまうような気がして。 

「幸せだよ。私が何より望んだんだから」

その言葉を聞いた俺は、つくしを抱え上げ寝室へ向かうとベッドへと横たえた。

「俺も幸せだ。何よりも手に入れたかった唯一のものが、おまえなんだから」

例え何があろうと、誰にも邪魔なんかさせねぇ。
不安があるはずなのに幸せだと言うつくしを守れるのは、俺だけだ。
弱いお前も俺が作り出したって言うんなら、俺が必ずお前らしい笑顔もこれからいくらだって作ってやる。

「俺が欲しいのは、今までだってこれからだってつくしだけだ」

その思いの丈を吐き出すように、数時間前のキスとは正反対に深く長いキスを繰り返した。
全ての憂いを奪い取るように、俺の全てはつくしの為にあると伝わるように。

俺たちを遮るもの全てを脱ぎ捨て、徐々に露になる透き通った絹肌。その上を俺の手が彷徨えば、艶のある声が漏れ聞こえてくる。

全てを曝け出し、求め合う二人に偽りなんてねぇ。
快楽の渦に溺れていくのも、つくしとだからだ。この世でたった一人、お前しかいない。
それを確かめるように何度も、何度でも、つくしを求め、俺を求めさせた。


疲れただろう細い身体を包み込み、既に深い眠りについているつくしの髪を撫でながら思う。お前に何も言えないことは、全てただの虚構でしかない。真実は、俺とお前の中だけに存在するんだと。

肌に触れる温もりを感じながら意識は何時しか薄れ、つくしの後を追うように静かな眠りへと落ちていった。


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  • Posted by 葉月
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Comment 2

Sat
2020.10.03

-  

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2020/10/03 (Sat) 14:29 | REPLY |   
Mon
2020.10.05

葉月  

ス✢✢✢✢✢✢✢ 様

こんにちは!

今回は、嵐の前の静けさといったところでしょうか。
二人の絆があれば大丈夫!と思いつつ、そこに至るまでダラダラとゆったりとしたペースで話は進んでおりますが、いよいよ今週の更新あたりからは動きだすかもしれません(*_*;
何が、というよりも心の変化が!
司と滋の報道が落ち着いてくれれば良いのですが、その気配もありませんし、つくしの心の負担も相当なものかと思われます。
一発目の悲鳴をそろそろ聞くことになるかも!?と私も心の準備をしつつ、更新を続けたいと思います!

コメントありがとうございました!

2020/10/05 (Mon) 16:46 | EDIT | REPLY |   

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