Secret 52
会場のどよめきが収まると、シャッター音だけがやたらと響き、質問する声も一時的に止んでいる。
次の質問と同時に頭を上げようと考えていたのだけど、これはどうするべきか。
そうタイミングを図っていると、突如として会場の気配が変わった。
更に激しさを増したシャッター音。且つ、何故だが会場は色めき立った。
一体、これは何? と内心焦り出した時、隣から訊こえてきたのは耳に馴染んだ声だった。
「そろそろ頭上げろ」
まさか、と思い頭を上げずに首だけ動かせば、思った通りの人がそこにいた。
「司!」
「もう良いだろ、頭を上げろ。今度は俺の番だ」
頭を上げた私の隣には、いつの間にか椅子が用意されていて、そこに司が座った途端、
「道明寺さん! つくしさんと結婚していたというのは事実ですか? 詳しく教えて下さい!」
似たり寄ったりの質問が、興奮気味の声に乗せられ一斉に飛び交う。
そんな中、マスコミには見えない長机の下で、司が手を伸ばして私の右手を掴んだ。
私が逃げないようにか、司はきつく握り締め、そして毅然とした態度で話始めた。
「彼女からお話があったように、私たちは既に結婚しています。10代で知り合い、7年の交際を経て今年の春に入籍いたしました。私や彼女の仕事の事情もあり、今まで公表できなかったことを、この場をお借りしてお詫びいたします」
司が頭を下げた。
こんな常識的振る舞いも出来るのか、と関心した分だけ出遅れた私も、司に倣い再びお辞儀をした。
✢
やっと発表まで漕ぎ着けたが、このフラッシュが気になって仕方ねぇ。
つくしは大丈夫だろうか。目に負担は掛ってねぇのか。
何よりマスコミに語るよりも、つくしとゆっくり話す必要がある。
兎に角、この会見を早く切り上げることが先決だ。
「申し訳ございませんが、彼女は目の手術を受けてまだ日が浅いことから、フラッシュによる目の負担をなるべく抑えたいので、会見は質問形式ではなく、ご報告と言う形で短時間で済ませて頂きます事をご了承ください。
先ず、先ほど申しましたように、私たちは高校時代に知り合い10代の頃よりお付き合いしておりました。
その間、私につきましては色々取り沙汰されもしましたが、どれもが全くの出鱈目であり、気持ちが揺れたことは一度たりともありません。私が愛する女性は彼女だけです。
私が抱いていた心の闇に光を当ててくれた彼女を、この先も私はこの手で守り抜き大切にすると、今この場で皆様の前で誓いたい。
これが今まで明かせなかった真実です。今後、私達について報道されることがあれば、どうかこの真実の言葉を踏まえた上で記事にして頂きたい」
散々、嘘ばかりを書き立てたこいつ等に、嘘偽りのない想いを分からせたかった。
俺が終わると、質問形式を止めた為か、気を利かせた西田が司会進行を買って出た。
「では、続きまして奥様である、つくし様、宜しくお願いいたします」
「ちょっと待ってください! つくしさんのお話に入る前に、つくしさんが家を出たという情報が入って来ましたが、本当でしょうか?」
マスコミの一人が声を張り割り込んでくる。
質問形式は取らねぇって言ってんのに、自由に疑問を投げてくんな!
『今の質問は否定しろ』と、つくしに目で訴える前に、
「本当です」
つくしからあっさり肯定の返事が飛び出した。
何を言い出す気だ!
認めたら重箱の隅をつつくように、どんだけ騒がれるか分かったもんじゃねぇ。
会見が荒れるじゃねぇかよ。
つくしの方を見ても、視線を感じてる筈なのに見向きもしねぇ。
俺は握り締めている手に力を入れ、これ以上はおかしなことは言うなよ、と願うしかなった。
「私達が、此処に辿りつくまでには、本当に様々なことがあり、決して楽な道のりではありませんでした。それでも彼を想う気持ちだけで一緒に歩んで来れたのだと、そう思っていました。でも、それはどうやら違っていたようです」
何だそれは……。
質問は否定せずに俺を否定するつもりじゃねぇだろうな。
普段、緊張なんてしねぇ俺の心臓が、異常な速さで鼓動する。
マイクが心音を拾っても不思議じゃねぇ程にだ。
「一緒に歩んで来ただなんて、偉そうに言えません。私は、いつしか身構える術や逃げる術を身に付けてしまっていたのですから、言えるはずがありません。
ここ数ヶ月の様々な報道などで混乱し自分に自信の持てなかった私は、この苦しみから逃れようと、これ以上傷付かないようにと、それで一方的に彼の元から去りました。
でも所詮無理でした。彼から逃れられないんじゃない。彼へ対する私の想いから、自分自身が逃れられないのです。
何処へ行ってもこの想いから逃げられないのなら、今度こそ私は、どんな困難があっても彼の傍にいることを選びます。
家を出たことで様々な憶測を生んでしまうかもしれませんが、全ては愛するがゆえに引き起こしてしまった誤った行動だと御理解ください。本当に反省しています。
この件に関しましては、取材陣の皆様よりも手強い主人の尋問が待ち受けていると覚悟しておりますので、体力温存の為にもこれ以上のお答えは控えさせて頂きます。本日はありがとうございました」
………ハラハラさせやがって。
表情からは読み取られないようクールを装いながら、内では、深い安堵が胸いっぱいに広がり、つくしの本心を訊いて幸福に満たされていた。
あの離婚届も即刻破棄してやる。
だが、待て。今のは、本心だよな?
微かな疑問が過り、まさかマスコミ向け対応って訳じゃねぇよな?
逃げられた身としては、どうにも警戒してしまう。
僅かに自信が翳ったところで、
「では、以上で……、」
会見の終了を告げる西田の声が耳に入り、ふと肝心なことを伝えてないことに気付いた。
「すみません、最後に一つだけご報告いたします。私達の挙式ですが、来年2月に決定いたしましたので、ご報告申し上げます」
「へ!?」
ポカンと口を開けたつくしが俺を見る。
こら、アホ面すんな。
またマスコミが食いつくだろうが。
「道明寺さん、つくしさんが驚いてるみたいですが」
ほらみろ、言わんこっちゃねぇ。
「彼女の驚く顔を見たかったし、彼女を喜ばせたかったんで。何より、私から逃げられないよう外堀を埋める必要があったので、彼女には秘密のまま計画しました。以上です。本日はありがとうございました」
結婚式を挙げることまでバラせば、つくしだってもう逃げらんねぇだろ。
二人で立ち上がり最後に礼をして、
「行くぞ」
つくしの手を握ったまま、堂々とマスコミの前を通り過ぎる。
もう少しで出口だ、という手前で、ある質問がつくしの足を止めさせた。
二人して振り返る。
「つくしさん! つくしさんの最愛の人は、道明寺さんで間違いないですか?」
つくしの最愛の人は誰か。こぞって探っていたマスコミが、俺以外の男の名を上げるたびに、つくしが否定しつづけてきた質問の、それ。
記者も答えを分かっていながら聞いてんだろ。そいつは、穏やかに笑っていた。
つくしは、その記者を真っ直ぐに見ると、
「はい。昔から私にとって最愛の人は、道明寺司さん、ただ一人です」
今までは決して見せなかった、とびっきりの笑顔を披露した。
つくしと二人で控え室へと入り、西田や三条も含め、他の奴等には席を外してもらう。
きちんと話しておかなければならない。
今までの全てを。
二人並んでソファーに座り、「まずは」と切り出した。
「会見で話した気持ちに嘘はねぇな? 信じて良いんだよな?」
「うん」
ホッと胸を撫でおろす。
「ならこれは破っていいな?」
懐から取り出したのは、折り畳んだ離婚届。
広げたそれは、両端に豪快な皺が寄っている。ショックと怒りから、見る度にプルプルと震えた手で掴んでいたせいで。
もう一度、頷いたつくしに離婚届を差し出した。
「つくしが破れ」
「……はい」
こんなもんは、一刻も早く地球上から失くすに限る。
つくしは躊躇わずに手に取ると、ビリビリと忌まわしき紙を破り俺に心からの安堵を与えた。
が、次には、とんでもねぇことを口にした。
「破るの、これで5回目。何度も書き間違えちゃって。何度も破っては書き直したから」
「……てめっ」
目を細めて睨めば、ビクっとつくしの肩が跳ねた。
「な、なに?」
「一枚だけでも忌々しいのに、てめぇはそんなおぞましいもんを5回も書いたのか!」
「えっと……、怒るポイントが微妙にズレてる気がするんだけど」
おずおずと言うつくしに、『煩ぇ、俺はその一枚だけで一瞬にして地獄を見たんだ!』と叫びたかったが、喉元を突き破る前に飲み込んだ。それは一先ず後だ。話が進まなくる。
「まぁ、いい。それより本題に入らせてくれ」
居住まいを正したつくしは、俺の視線から逃れなかった。
今日こそは、しっかりと俺の話を訊く覚悟が出来ているらしいと分かり、口を開く。
「つくしにはこの半年、辛い思いをさせた。本当にすまなかった。俺は、つくしに言えなかったことがある。それをすべて話す」
つくしは緊張した面持ちになったが、俺はそのまま続ける。
「今回、滋が秘書になった背景には、俺と滋の婚姻を望む動きがあった」
息を呑んだつくしに、包み隠さず一気に話した。
他社も絡んだプロジェクトがあったために、あの時点で大河原との関係を悪化させるわけにはいかず、滋を受け入れるしかなかったこと。
その滋が父親に利用される可能性もあって、逆に身近に置いた方が防げるとの判断もあったこと。
そして、少しでも早く大河原の親父に真実を告げるために動き、それでも大河原が悪足掻きした場合には、米国の企業の力も借りて、共に大河原を跡形もなく潰すつもりでいた。しかしそれも回避した。そう何もかもを明かした。
大河原を潰すくだりでは、「そんな……っ、」と、つくしは絶句し、回避出来たと知れば、あからさまにホッとした表情を見せた。
「怖かったんだ、俺は。全てを話せばおまえがどんな行動に出るか想像ついたからな。最悪な場合、滋の人生は勿論、大河原で働く奴ら全ての人生を狂わす。だから言えなかった」
つくしにこれ以上の本音を曝せば、責められてると受け取るかもしれねぇ。
それでも俺は言うつもりでいた。もう隠し事はまっぴらだ。
「おまえは、他人が不幸になるくらいなら、自分を犠牲にすんだよ。他人を見捨てられなくて。
でも、俺のことは切るんだよ、おまえは。
俺とつくしが別れることでそいつ等を守れんなら、最終的におまえは俺を切る。……喩え俺が不幸になっても」
図星を突かれたからか、なんの反論もなくつくしは視線を伏せた。
「つくし? 俺は今回学習した。今後はどんなことだろうと、つくしに秘密は持たねぇ。俺に信用がねぇのも、よーく分かった。言っても言わなくても俺たちの仲が拗れんなら、隠し事は一切しねぇと約束する。
でもな、きっと俺はこれからもこんな問題に直面すれば、最悪の事態を見据えた判断を下す。
だってそうだろう? 何で理不尽な要求に屈しなきゃなんねぇんだよ。俺の後ろには何十万人って社員がいる。系列や下請けまで入れりゃ何百万人だ。理不尽な要求を飲むってことは、今度は道明寺が蹂躙され、そいつ等の生活が脅かされる可能性を生む。俺はそいつ等を守る責任がある。その為には動かなきゃなんねぇ」
つくしの顔が見る見る内に青褪める。
理不尽な相手を潰すという目先だけに捉われ、そうしなければどうなるか、その先の憶測が出来ていなかったらしい。
「でもな、それはつくしが俺の隣に居る前提での話だ」
「え?」
「そりゃそうだろ。何で俺がつくしを失ってまで他人を守んなきゃなんねぇんだよ。冗談じゃねぇっ! そんな道徳心そもそも欠けてるっつーの!」
「や、ちょっと、言ってることがおかしいんじゃ……、」
突然、テンションが上がった俺につくしが目を丸くする。
だが、乗ってきた俺の口は止まらねぇ。俺の本心全てを思い知るがいい。
「いいか、良く覚えとけ! 俺はおまえがいて初めて、正しく強くいられる。おまえを一番必要としているのは、この俺だ! そのおまえを失ってみろ。この世の全てを怨んでやるからな。
敵も味方も関係ねぇ。おまえが俺と別れて救ったつもりの奴等も一纏めにしてぶっ壊してやる! 俺だけ不幸になるなんて冗談じゃねぇんだよっ!
今までに手に入れた、金、権力、人脈、使えるもん全部使って、世の中の奴等も道連れにしてやる!」
「なっ、なんなの、その過激的な発言は」
「ふん、昔だって暴れてただろうが。規模がデカくなっただけだ。力付けた分もっと壮大なスケールで暴れてやるよ。
おまえが居なくなったら、間違った方向に手に入れた力の全てを使う。政治経済問わず罠を仕掛け、金を掴ませ、破滅へと誘導してやる。国内だけじゃねぇ、世界を巻き込んだアルマゲドンだっ!」
「っ…………!」
「そうさせたくなければ、俺を一人にすんじゃねぇっ!」
唖然としたままのつくしの隣で、全部言ってやったと満足気に踏ん反り返る。
暫くして、つくしはポツリ呟いた。
「飛躍した発想の逆恨みが危険過ぎる」
逆恨みだろうが危険だろうが知ったこっちゃねぇ。脅しでも何でもねぇし、俺の本心そのままだ。
つくしが深く息を吐き出す。
気持ちを落ち着かせたのか、静かに言葉を紡ぎ始めた。
「私、覚悟が出来てなかった。ただ傍に居たいからって我が儘を押し通して結婚して。結婚したからには、それなりの覚悟が必要だったのに、妻としての自覚も足りなかった。
思い込みだけで自分を追い詰めて、司に何を言われるかと思うと怖くて、傷つきたくなくて、自分のことしか考えられなかった。どうせ自分は認められてないって、お義母様のことも疑って」
「そういや、ババァに会ったんだろ? 何言われた?」
「魔法の言葉。わざわざそれを言いに来てくれたの」
あぁ、あれか。米国の会長から話は訊いている。
どうやらババァは、つくしを追い詰めるためじゃなく、見かねてアシストに回ったらしい。
「あれだろ、ババァとNYにいる会長の仲を取り持ったってやつだろ?」
「うん。私、お義母様を酷い目で見てた。それが本当に申し訳なくて」
「まぁ、過去が過去だし、息子の俺だって油断出来ねぇ女だと思ってるくれぇなんだから、そんな気にすんな。それとな、協力してくれた米国の会社ってのが、その会長だ。つくしのファンらしいからな」
「え、そうだったの? キャッチボールのおじさんが……。改めてお礼を言わないとね。……そっかぁ。私たち色んな人に守られ支えられてきたんだね。
そうとも知らずに私は、司と向き合うのも恐れて皆の思いを無にするところだった。他の誰でもなく信じるべきは司だったのに……、本当にごめんなさい。
でも、ちゃんと覚悟を決めたから。もう迷わない。会見で言った言葉も嘘じゃない。
夫が犯罪者予備軍だとは思わなかったけど、それでも道を正しながら一緒に歩んでく」
…………誰が犯罪者予備軍だ。
おまえが居りゃ悪さしねぇっつーの。
「もし、司が手を汚すとしても、もう腹は括った。悪魔と結婚した私も同罪。どこまでだって付いて行くから」
…………とうとう俺は悪魔にされた。
天使みてぇな笑み付きで言われても微妙だ。
でもいい。俺の傍にいると誓うならば、どんな立場に落とされようとも、それだけでいい。
「ただ、私からも一つだけお願いがあるの」
真剣なものに変わった眼差しを受けて、仰け反っていた体を素早く起こす。
「何だ? 何でもいい。思ったことはもう我慢すんな。それでどんだけ遠回りしたか分かんねぇんだから、隠さず全部言ってくれ」
「うん……。司、お願い…………、もう二度と浮気はしないで?」
「…………あ?」
ポカンと口が開く。
きっと馬鹿面してるに違いねぇ。
俺の顎は外れてねぇだろうか。
手で触れながら確かめてみるが、何とか大丈夫そうだ。
「つくし、まさか本当に一つも見てねぇのか? 浮気はしてねぇって、あんだけLINEもメールも送ったのに」
「え、嘘! ごめん……見てなかった」
そうかそうか、そうだったな。
三条の言葉を借りれば、俺をストーカー対応していたんだったな。
それで今現在も滋との仲を疑ってたってわけか。
じゃあ、今まで俺が熱く語った話は何だったんだってわけになるんだが……。
俺は溜め息を吐き、髪を掻きむしりながら言った。
「確かにあの日、分厚い訂正案とやらを滋がメープルに届けに来たのは本当だ。それも大河原の罠だったんだろ。俺は帰らねぇ滋を放って、ベッドルームに鍵掛けて朝まで閉じこもってたから、浮気なんかしてねぇし、指一本触れてねぇ。その日以外もだ!
大丈夫だ。俺の貞操は俺がしっかり守った」
「貞操って……でも、そっか。そうだったんだ」
そう言いながらも、何故かつくしの表情は晴れない。
「なんだ、納得してねぇ顔だな」
「いやぁ、あそこのベッドルームに鍵なんてついてたかなぁ、って思って」
まだ疑う気かよ!
……でも、待て。これはチャンス到来か?
「仕方ねぇ。大事な妻に不安を残すわけにはいかねぇ。よし、今からメープルのベッドルームに直行するぞ! ちゃんと鍵があるかその目で確かめろ!」
俺はつくしの手を掴んで立ち上がらせると、引きずるようにして控え室を出た。
「え、ちょっと待って!」
待たねぇよ。つーか、ずっと待ったっつーの。
お預け喰らってたせいで、直ぐにでも暴発する自信まであるくれぇだ。
これも浮気してねぇ証拠だ!
今夜は存分に可愛がってやる、と一人企み口元を弛ませる。
外で待機していた西田と三条に向けて「メープルに行く」と堂々と告知し、急いで車へと向かう。
歩きながらも、忘れねぇうちにと注意も入れた。
「つくし、メールやLINE、俺と繋がるように設定し直しとけよ」
「……分かった。……でもね、その……」
「どうした?」
口ごもりその先を言わないつくしを急かす。
「うん。LINEとメールは大丈夫なんだけどね……ごめん、あとでワン切りしてくれる?」
前のめりになりながら足に急ブレーキをかけ、つくしを見下ろした。
「……まさかとは思うがつくし、俺の番号……、」
「ごめんなさい消去しました!」
つくしは早口で謝罪し、ガバっと頭を下げた。
とんでもねぇ話だ。
着拒を上回る酷ぇ扱いかよ────企み変更だな。
動きを止めていた俺は、今度は急に駆け出した。
「うわっ、そんな急がなくても!」
煩ぇ! 一分一秒も無駄に出来るか。
企み変更で、今夜はお仕置き決定だ!
夜だけじゃねぇ、朝までだ。
時間の限りを使ってお仕置きしてやる。
ニヤリと笑う俺は、悲鳴を上げるつくしと共に、空気を切り裂き建物の中を駆け抜けた。

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*明日、最終話です。
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