Archive: 2020年12月 1/3
ご挨拶
こんにちは!先ずは、『Secret』そして『Darling Voice』を読んで下さいました皆様、本当にありがとうございました。『Secret』につきましては、クリスマスの完結を当初から目指していたのですが、最後の方は加筆し過ぎたせいで毎日更新しないと間に合わず、完結の2週間ほど前からは裏でバタバタしていただけに、無事に終えることが出来てホッとしております。しかも、読んでも読んでもいつまで経ってもすっきりしないという内容で...
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Darling Voice 3【最終話】

結局、この時間じゃねぇかよ。ダッシュで仕事を終わらせたつもりだが、無情にもクリスマスは終わりを告げた。しかも、こんな時間になってもまだ、何度掛けても牧野は電話に出ねぇ。もう家で寝てんのか?それともまさか、本気であの男とどっかに行っちまったんじゃねぇだろうな!「もたもたしてねぇで、さっさと牧野ん家まで飛ばせっ!」怒鳴り声と共に急発進させた車は、深夜の街を猛スピードで駆け抜けて行った。 Darling Voic...
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Darling Voice 2

「道明寺副社長、お忙しいのにいらして下さったんですね。私の為に嬉しいですわ」なんつー勘違い女だ。誰が、てめぇなんかの為に来るかよ。会社の為以外、理由なんかあるはずねぇだろうが。「いえ、本日は、お招き頂きありがとうございます」内心とは裏腹に、思ってもねぇ礼を口にしなきゃなんねぇ自分に反吐が出る。「そんな、とんでもございませんわ。こんな素敵なお花まで送って頂いて、私、本当に嬉しくて」口の端に軽く握った...
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Darling Voice 1

こちらは昔のお話となりますが、クリスマスに絡んだ短編(全3話)となっております。宜しければ是非お付き合い下さいませ。いつからだ?俺の惚れた女は、こんな女だったか?って感じるようになったのは。4年の約束を3年と数カ月オーバーして、牧野の待つ日本に帰国したのは半年前。長い遠距離の間、些細な喧嘩はあったりもしたが、不器用ながらも俺達のペースで愛を育んで来たつもりだ。出来る限り連絡も取ったし、僅かな時間を見つ...
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Secret 53【最終話】
「……おはよう」「おぅ」久々に二人で迎える朝は、何だか妙に照れくさかった。昨夜は、鍵の確認もそこそこにベッドに沈められ、獣と化した司のお仕置きがいきなり始まり、散々翻弄された。ただその合間には、今までのあらましを更に事細かく話してくれて、私の知らないところでどれほど司が考え、守ってくれていたのかを知り、その存在の大きさと有り難みが改めて身に沁みた。勿論、その存在の大きさは、直ぐにまた再開されたお仕置...
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Secret 52
会場のどよめきが収まると、シャッター音だけがやたらと響き、質問する声も一時的に止んでいる。次の質問と同時に頭を上げようと考えていたのだけど、これはどうするべきか。そうタイミングを図っていると、突如として会場の気配が変わった。更に激しさを増したシャッター音。且つ、何故だが会場は色めき立った。一体、これは何? と内心焦り出した時、隣から訊こえてきたのは耳に馴染んだ声だった。「そろそろ頭上げろ」まさか、...
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Secret 51
まるで赤鬼だ。向かいに座る滋の父親は、酒を飲んだわけでもねぇだろうに、怒りを漲らせ顔を真っ赤にして怒鳴った。「一体、これはどういうことだ! 司君、滋とのことをどう考えておるんだ!」どういうつもりも何も、この騒ぎを引きお越したんは俺じゃねぇって分かってんだろうに、そんな矛盾さえすっ飛ばすほど、計画が破綻した今の現状に怒り心頭らしい。逆恨みもいいとこだ。興奮する親父を素通りし、その隣に座る滋を見る。『...
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Secret 50
朝から凄い数の報道陣に追いかけ回され、移動する度に緊張が走り、スタジオに入るまで気が抜けなかった。司と私との関係が今朝になって突然と取り沙汰されたせいで。以前にも司と写真を撮られたことはあったけど、その時とは比にもならないほどの騒動になっている。それもそのはず。何せ今回はただの噂ではなく、私たち二人のプライベート写真が流出し、しかも10代の頃からの付き合いだと認めるコメントを出してしまった人たちがい...
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Secret 49
類君の描くシナリオに浮き足立ち、何度も時計を見ては、なかなか進まない針が定時になるのを待った。いよいよ時間になると、秘書課の誰よりも先に仕事を切り上げ帰路へと急ぐ。今更、早く帰ったところで司は何も言わない。もう司の送迎からも外されているくらいなのだから。今は何より、この危機をどう乗り切るか。それだけだった。頼れるのは父親しかいない。屋敷に付くなり一目散に書斎へ向かって走る。高鳴る鼓動は、走ったせい...
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Secret 48
パーティーから社に戻り、俺より遅れて帰って来た滋と共に、スケジュールの変更に伴う打ち合わせをしていた。尤も、これは表面的なスケジュール変更であって、本当の俺の動きを滋に悟らせないためのフェイクだ。滋には、滋を同伴させねぇ偽の仕事のスケジュールを掴ませてある。明後日、俺は大河原に全てを明かす。念のため、滋からの情報漏れを防ぐために、滋には知られぬ内に秘密裏に。そこで大河原が納得しなければ、即座に実力...
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