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Archive: 2018年06月28日  1/1

その先へ 52

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牧野さんの小さな背中を見送り部屋に戻ると、蓮見田守は膝を折り、床に両手をつけたまま、「大切な牧野さんを傷付け…………、本当に申し訳ありませんでした」涙交じりでありながら、気弱な男らしからぬ通る声で謝罪しているところだった。「じ、時効は……」逆に、威勢の良かった姿は影を潜め、覚束なげな声で弁護士に確かめるのは、蓮見田社長だ。息子が全てを認めたこの期に及んでも、気掛かりは己の保身ばかりか。道徳心の欠片も見当...

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