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Archive: 2018年06月20日  1/1

その先へ 50

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これほどまでに哀しみに暮れた副社長の顔を、未だかつて私は見たことがない。当然だ。この世で一番愛しく、大切にしたい人の身に起きた悲劇。身が引き千切られるほどの傷みに襲われ、払い除けられるはずもない。楓社長さえも目を閉じ、美作専務は唇をきつく噛み締め、組んだ両手に力が入っているのが分かる。ただ一人。牧野さんだけが動じていなかった。蓮見田社長へと戻した眼差しからは、動揺の一端すら窺えず、感情を捨てたよう...

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