Archive: 2018年06月06日 1/1
その先へ 44
No image
突然に抱き竦められ、逃げ場のない腕の中で体が硬直する。「少しでいい。このままでいさせてくれ……頼む」首筋に顔を埋めた道明寺が泣いてるようにも感じて、昔から変わらない香りに包まれ、自然に力がスーっと抜けていった私は、黙って身を預けた。息が僅かに苦しくなる程の強さで抱き締められ、やがて、道明寺はポツリポツリと話し出した。「…………めでてぇよな」「…………」「あれだけ惚れた女、身勝手に忘れて」「…………」「再会したら...
- 6
- -
2018/06/06 (Wed) 05:00
Category その先へ <完>