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Category: 短編  1/2

Precious Love*番外編─再会*

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こちらは短編【Precious Love】の番外編となっております。本編をお読みになってからお進み下さいませ。気付かなかった。背後に停まった車の気配も、その車のドアが開き、アルファルトを数回刻んだ足音も。すぎなハウスの前で止められなくなった自分の嗚咽が邪魔して、だから耳に何も入らなかった。肩を叩かれるまでは。「先輩?」肩に乗った桜子の手の重みに顔を上げる。桜子は『見て?』と言うように背後に目線を動かし後を追え...

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Precious Love 4

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八年の年月が流れても、世間は何も変わらなかった。耳を塞ぎたくなるような事件も、芸能人のスキャンダルも、この世の中から消えずに繰り返される、変わらない社会の日常の一コマだとも言えるし、一年前に政権が変わっても、私達の日常の生活に影響はない。身の回りで変わったことと言えば、二年前に優紀さんが職場結婚したことと、優紀さんの代わりに私が先輩と一緒に暮らすようになったこと。普通のマンションに住むのにも慣れ、...

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Precious Love 3

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『桜子か?』「美作さん、おはようございます」先輩の家に泊まり、帰った翌日。帰宅して直ぐに、先輩を心配する美作さんからの電話が入る。昨夜の先輩の状況と、怪我をして病院に連れていったことを告げると、美作さんは『堪んねぇな』と重く沈んだ声を漏らした。「今朝は、少しでも腫れた目を隠そうと私がメイクをしたんですけど、完全には隠しきれなくて……」『そうか……。司も今頃、顔が腫れ上がってんだろうけどな』「道明寺さん...

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Precious Love 2

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あれから直ぐに優紀さんに連絡を入れ、先輩と優紀さんが住むマンションへと来ていた。優紀さんと二人、息を潜めてソファーに座り、私達がいるリビングから繋がる一室のドアの向こうにと想いを馳せる。その部屋からは、何かが落ちる音や、何かを叩く音、何かが割れる音が響いていた。止めに入りはしなかった。我慢させる方が不健全に思えて……。やがてそれらの音は消え、先輩の慟哭だけが哀しく響く。立ち上がりそうになる優紀さんの...

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Precious Love 1

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こちらのお話は4話完結の短編となります。あり得るのか疑問な設定含みですが、あくまで妄想、フィクションだと寛大にご理解頂ければ幸いです。「しかし、珍しいよな。司が俺達を呼び出すなんてよ」「だよなー。いつもなら俺達なんて邪魔者扱いなんじゃねーの?」「そうそう! 滋ちゃんとは遊んでもくれずに、すっかり放置だもんね!」「それは仕方ないですよ、滋さん!」今日は、NYから急遽一時帰国した道明寺さんの鶴の一声で、こ...

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